まほろ市の殺人〜夏〜 我孫子武丸 

 

我孫子 武丸 / 祥伝社(2002/06)
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真幌市に住む新人作家君村義一の許へファンレターが出版社から転送されてきた。送り主の住所も同じ真幌。執筆に行き詰っていた君村は、四方田みずきとのメールのやり取りで意欲もわき始め、まだ見ぬ彼女に恋をした。一度は彼女に会うことが出来たものの、彼女との連絡は突如途切れ・・・。そして、思いを募らせる君村がとった行動が、思いがけない事件を呼ぶ!

真幌市という架空の都市を舞台に、4人の作家が腕を競い合う連作の第ニ作。
競作とは言いながらも、主人公は異なります。

自分のファンだという美少女に一目ぼれした作家・君村。
いい雰囲気だったにもかかわらず、突然音信が途絶える彼女。
君村の恋愛を支える大学時代からの友人・小山田。


恋愛メインぽいのですが、一応殺人事件です。
相手の四方田みずきがつかみどころがなく、君村は翻弄されます。

こういう、心理のぐだぐだしたところを書くのは、我孫子氏の十八番ぽいので
我孫子氏らしい作品といえるかもしれません。
ちょっと精神的にやばい感じとかねぇ。
「殺戮にいたる病」みたいなことはぜんぜんありませんが、そういう雰囲気はどうしてもにじみ出る感じがします。

中篇なので大変読みやすく読み応えもあると思います。
同じ都市を舞台にしても4人の作家の特性が出ていて、面白い企画だったと思います。
ぜひ他のもあわせて読んでみてくださいね♪