人形はこたつで推理する 我孫子武丸 

 

我孫子 武丸 / 講談社(1995/06)
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鞠小路鞠夫─私が密かに思いを寄せる内気な腹話術師・朝永嘉夫が操る人形の名前です。出会ったのは幼稚園でのクリスマス会。園で飼っている兎が死んだ事件を見事な推理で事件を解決してくれました。そう、「彼」は頭脳明晰な名探偵だったのです。異色の人形探偵コンビが大活躍する青春ユーモア・ミステリー!

短編集です。
人形シリーズ1作目です。

話手の名前は妹尾睦月。
めぐみ幼稚園に勤めて10ヶ月の新米保母さん。
あだなは「おむつ」

人形使いが探偵役・・・ではなくてなんと人形が探偵なのです。
異色です。
これと同じ設定の話はマンガで小畑健氏の「人形草紙あやつり左近」がありますよけれどあまり無い設定なのです。
この人形である鞠小路鞠夫はとても軽く元気でこまっしゃくれた男のコって感じでとてもかわいいです。
おむつも20歳の女のコのわりに度胸も据わってて、頭の回転も速いですね。
残念なことに鞠夫のおかげで、嘉夫との間はなかなか進展せず。

4つの短編が入っており、密室殺人や被害者の夢を手がかりに謎を解いたりとバラエティに飛んでいます。
おむつの視点からかかれているので女性の方にもすんなりと読みやすい感じです。
というか心理描写は我孫子氏女性説が出たのもうなずけるというほど上手です。
男性の精神面を描くのも上手かな。
男性のことはちょっと物悲しくかかれてるような気はします。
でも男の人には影があるほうがロマンティックかしら(笑)