孤島パズル 有栖川有栖 

 

有栖川 有栖 / 東京創元社(1996/08)
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南の海に浮かぶ嘉敷島に13名の男女が集まった。英都大学推理研の江神部長とアリス、そしてマリアも島での夏休みに期待を膨らませる。折悪しく台風が接近し全員が待機していた夜、風雨に紛れるように事件は起こった。滞在客の2人がライフルで撃たれ、無惨にこときれていたのだ。無線機が破壊され連絡船もあと3日間は来ない絶海の孤島で、新たな犠牲者が・・・。犯人はこの中に!?

学生アリスシリーズ第2弾。
前作『月光ゲーム』同様、クローズドサークルでの殺人事件。
しかも嵐の中。
離れ小島で連絡船も来ず、無線も壊された──。

この設定だけでワクワクするではないですか!
本格中の本格!ですね。

アリスは推理研のメンバー有馬麻里亜に夏休みに「叔父の別荘に行かない?」と誘われる。
バカンスついでに島の謎を解いて欲しいというのだ。
島には25体のモアイ像が立ち、それぞれがバラバラの方向を見つめている。
彼女の祖父は無類のパズル好きで5億円相当のダイヤをこの島に隠したらしい。
その謎を解くヒントはこのモアイ像と地図、そして『進化するパズルを解いた者が、ダイアモンドの相続人になる』という祖父の遺言。

なんというか大学生の夏休み!と思わせる始まり。
夏のバカンスに心躍らせる感じがいいですね。

別荘で起きる密室殺人。
部屋のドアには鍵、そして折り重なってなくなってる親子。部屋にライフルはない・・・

密室殺人に、ダイイングメッセージ、進化するパズル・・・。
本格要素たっぷりです。
作家アリスシリーズに比べて「青春の甘酸っぱさ」全開の学生アリスシリーズ。
ロマンティックで清涼感のあるセンチメンタリズムに貫かれています。
アリスとマリアの微妙な関係も、青春って感じでいいですね♪
江神部長とアリス、マリアのかけあいもテンポ良くて面白いです。

わりと気軽にすいすい読める本だと思います。