朱色の研究 有栖川有栖 

 

有栖川 有栖 / 角川書店(2000/08)
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「2年前の未解決殺人事件を、再調査してほしい。これが先生のゼミに入った本当の目的です」臨床犯罪学者・火村英生が、過去の体験から毒々しいオレンジ色を恐怖する教え子・貴島朱美から突然の依頼を受けたのは、一面を朱で染めた研究室の夕焼け時だった──。 さっそく火村は友人で推理小説家の有栖川有栖とともに当時の関係者から事情を聴取しようとするが、その矢先、火村宛に新たな殺人を示唆するような電話が入った。2人はその関係者宅に急行すると、そこには予告どおり新たなる死体が・・・。 現代のホームズとワトソンが解き明かす本格ミステリの金字塔。

名探偵火村教授が活躍するシリーズです。
タイトルは確かに「緋色の研究」をもじったそうですが別に中身がそっくり「緋色の研究」ということではないですから(当たり前だけど)タイトルが似てるからってトリックまで一緒って事じゃないので安心して読んでください。
ホームズ役の火村英生教授は英都大学の犯罪心理学の助教授。
ワトソン役は大学の同級生、推理小説家の有栖川有栖(笑)
作者=作中人物っていう設定は推理小説ではよくあることですが、有栖川氏の書かれるアリスは2つあるのでイコールではないか。

この作中の有栖川有栖は関西弁で話してるので、関西の方にはとっつきやすいと思います。
物語は和歌山・周参見を舞台に展開します。
大阪市内でも展開してますけど。
マンションでのトリックは・・・一回試してみたいなぁ。
できるんだろうか?

有栖川さんの作品って基本的にロマンティックな雰囲気が漂っています。
物悲しい感じと言うか。
そこがいいんですよねぇ。
殺人という血なまぐさい舞台の上でこんなにロマンティックな文章が展開するのかと思ってしまいます。
私は関西の人間ですが和歌山などは遠くて、周参見という地名はこの本で初めて知りましたが、いつか行ってみたいなと思いました。