絶叫城殺人事件 有栖川有栖 

 

有栖川 有栖 / 新潮社(2004/01)
Amazonランキング:位
Amazonおすすめ度:


「NIGHT PROWLER」と記された小さな紙片を、口の中に押し込まれ、次々と殺害される若い女。残酷な無差別殺人事件の陰には、カルトなホラー・ゲームに登場するヴァーチャルな怪物が―。暗鬱の「絶叫城」に展開する表題作ほか、「黒鳥亭」「壷中庵」「月宮殿」「雪華楼」「紅雨荘」と、底知れぬ恐怖を孕んで闇に聳える六つの迷宮の謎に、火村とアリスのコンビが挑む。

タイトルを見ると、「連続殺人の館モノ長編?」と思いますが、これは短編集です。
有栖川氏の生み出した名探偵「臨床犯罪学者:火村英生」の活躍するお話です。

6つのお話が入っています。
「黒鳥亭殺人事件」
「壷中庵殺人事件」
「月宮殿殺人事件」
「雪華楼殺人事件」
「紅雨荘殺人事件」
「絶叫城殺人事件」
それぞれのタイトルが何か美しい響きです。
ロマンティックな響きがあります。
並べるととてもきれいな感じがしませんか?

どの事件も良い作品で読み応えのある短編集です。
私はトリックは「壷中庵」が
意外性では「月宮殿」が
そして話のほのぼのさと物悲しさでは「黒鳥亭」が
オススメです。
「黒鳥亭」の中でアリスが子供とする「20の扉」という遊びでのやりとりが何ともほほえましいです。
これに触発されて私も友人と「20の扉」をやってみたんですが・・・意外と当てられまくりました(笑)
全然相手の裏をかけてない〜。
「作家アリスシリーズ」はどの作品から読んでも「話の流れがわからん!」ということはないので、手に取りやすい短編集からいかがですか?