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亜愛一郎の逃亡 泡坂妻夫 

 

泡坂 妻夫 / 東京創元社(1997/07)
Amazonランキング:155001位
Amazonおすすめ度:


長身で二枚目、行動は些か心許ないが、虫や雲を撮ることにかけては右に出る者のない実力派カメラマン、亜愛一郎。だが、彼の行くところ、必ず怪事件が勃発する。そして愛一郎が白眼をむいたときは、決まって事の真相を言い当てるのだ。快調の連作第三弾。愛一郎の行く先に必ず現われる不思議な人物の招待も、遂に解き明かされる時がきた。愛すべき名探偵、亜愛一郎の事件簿。

「赤島砂上」
「球形の楽園」
「歯痛の思い出」
「双頭の蛸」
「飯鉢山山腹」
「赤の讃歌」
「火事酒屋」
「亜愛一郎の逃亡」

亜愛一郎シリーズ3作目。

完全密室のカプセルの中から発見された前頭部に打撲、背中に突き傷を負った男の死体の謎。
亜が歯医者で見かけた不審な行動をする患者の謎。
北海道の湖にいるという双頭の蛸の取材現場の湖上で起きた殺人事件の謎。
赤を好んで使う画家、当初赤に対する畏怖の念が見えていた作風が突如赤への讃歌が表面に押し出されたものへと変化していく不思議。
三度の飯より火事が好き、という酒屋の主人が遭遇した不審火の現場から発見された他殺死体の謎。
最後は亜愛一郎自身の逃亡

シリーズ最終巻です。
最終話では亜の行くところ行くところに出没してきた三角顔の老婦人の正体も明らかになります。
式典に向かう人たちはシリーズ登場人物がすべてかかれていますので、「あ、これはあの話のあの人か」とわかったら、あなたはかなり熟読されたことでしょう(笑)
初登場時とは成長してたり出世してたりする人もいますので、楽しめます。
どの作品もトリックというよりは細かな謎を解きほぐしていく感じのお話ばかりです。

このシリーズ、言葉遊びも楽しく、血生臭くもアダルトすぎる空気もありませんので子供でも充分楽しめるお話だと思います。
小学校高学年くらいから楽しめるのではないでしょうか?