迷路館の殺人 綾辻行人 

 

綾辻 行人 / 講談社(1992/09)
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奇妙な迷路の館に集合した四人の作家が、館を舞台にした推理小説の競作を始めたとたん、惨劇が現実に起きた!完全な密室と化した地下の館で発生する連続殺人の不可解さと恐怖。逆転また逆転のスリルを味わった末に読者が到達する驚愕の結末は?気鋭が異色の構成で挑む野心的な長編本格ミステリー。

作中本というのでしょうか?
本の中に本が作られています。
最後の見返しまでついて、本格的に。

島田氏が手に取った本は、稀譚社ノベルスの鹿谷門実氏著作の「迷路館の殺人」
作中で繰り広げられる、偉大な推理作家の弟子たちによる競作とそれになぞらえて殺されていく作家たち・・・。
果たして犯人はいったい誰なのか?
そしてどういう目的で?

作中作で、驚いた後にまだ真相が隠れています。
最後の読者を欺くトリックはフェアかアンフェアかでもめたりもしているようですが・・・・
私的には、「読者をだましてやろう」という稚気がステキだと思います。
作中作で明らかにされる殺人のトリックも反則っちゃあ反則ですが、
しかし迷路を解明するところとか、昨今はメジャーになりすぎてしまったダイイングメッセージを惜しげもなく使い捨ててるところとか、
なんていうのかミステリファンには「ニヤリ」とさせられるシーンがたくさんあります。

ほほう、そうくるか!的な。

新本格は割と古典的なトリックを土台として、ひねってひねってトリックを作っていたりすることもあるので、そのひねり具合に個性がでますよねぇ。

あ、あのトリックをそう使うか!と感心するものやら
映像にしたら印象的なシーンになるだろうなぁみたいなものやら。

ミステリ好きにオススメしたい一冊です。
あなたも「ニヤリ」ってしてみませんか?