四月は霧の00(ラブラブ)密室 霧舎巧 

 

霧舎 巧 / 講談社(2002/04)
Amazonランキング:36,802位
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四月。入学式。私立霧舎学園への美少女転校生、羽月琴葉(17)が立ち込める霧の校庭で遭遇した「霧密室」殺人事件。学園にまつわる謎めいた伝説が二人の名探偵候補(?)を琴葉の元へと引き寄せるとき、秘密は満天下に明かされる!
学園ラブコメディーと本格ミステリーの二重奏、「霧舎が書かずに誰が書く!」
”霧舎学園シリーズ”堂々の開幕。

ちょっと表紙がアニメ絵なので引いた方もおられるのでは?
タイトルもタイトルやし、表紙はアニメ絵やし・・・特に男性諸氏は手に取りにくいのではないかと思われる本です(笑)
ピンクだしなぁ・・・。

でも、一応講談社ノベルスです。
それに作者の霧舎巧氏は新本格ミステリの有望な作家さんであり、すでに「あかずの扉研究会シリーズ」という人気シリーズをものされている方です。
ですから、ミステリとしては申し分ありません。
そしてこのシリーズは小説版「金田一少年の事件簿」を意識して書かれたそうです(笑)
つまり、マンガ世代の人達に、「金田一少年」をそして「名探偵コナン」を読んできた人達がはじめて手に取る推理小説になることを目指してるのだそうです。
想定対象年齢は低いのでしょうが、大人でも十分楽しめます。
2人の名探偵候補は
頭木保(かしらぎ・たもつ)と小日向棚彦(こひなた・たなひこ)
保は自称名探偵のちょっと変な先輩。
棚彦は名探偵になりたいなんて気はさらさらない琴葉の同級生。
保は「あかずの扉研究会シリーズ」でも出てきます。
それにこのシリーズは「あかずの扉研究会シリーズ」と少なからぬ繋がりがある模様です。
棚彦はふりがなで気付いた人もいらっしゃるかもしれませんが、名前が回文になってます。
(上から読んでも下から読んでも「こひなた・たなひこ」)

こういう遊び心がたくさん入っている小説です。

設定もマンガちっくにしてあります。
琴葉のお母さんは警察署長で現場に出張ってくるし、学園には変な伝説もあるし、出逢い頭にキスしちゃうハプニングはあるし、自信過剰な先輩もいるし、高校生が捜査に介入しまくりやし、ラブコメやし。

それなりに話は面白いと思うんですが・・・
霧舎氏はラブコメ部分が苦手なのかしら?と思ってしまいます。
ラブコメの王道はプラトニックラブ!でしょう?
気持ちの揺れ動きを詳細に書かないとラブコメ度低い。
琴葉は転校してきたばっかりなのに、初日の午後には棚彦のことを「小日向君」ではなく「棚彦」と呼び捨て。

うーん。
名前を呼ぶかどうかってラブコメの見せ場だったりしないのかしらねぇ?
名前の呼び方が距離感を現すというかさぁ・・・。
ちょっと馴れ馴れしすぎるのでは?と思う私はもうおばさんかしら?(笑)
もう一つのシリーズでも名前の呼び方気に入らないしなぁ(笑)

なんていうか初々しさが足りない!
もっとじれったくないとラブコメじゃない!!
って思うのは私だけかなぁ?

分量は少ないので割とすぐ読めると思いますが、ちょっと恥ずかしいなと言う方は、書店でカバーかけてもらってください(笑)
本文中にはイラスト入ってませんから、表紙さえ隠せば電車で読んでもOKです♪