まほろ市の殺人〜春〜 倉知淳 

 

倉知 淳 / 祥伝社(2002/06)
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「人を殺したかもしれない」真幌の春の風物詩「浦戸颪」が吹き荒れた翌朝、美波はカノコからの電話を受けた。七階の部屋を覗いていた男をモップでベランダから突き落としてしまったのだ。ところが地上には何の痕跡もなかった。翌日、警察が鑑識を連れどやどやとやってきた。なんと、カノコが突き落とした男は、それ以前に殺され、真幌川に捨てられていたのだ!

真幌市という架空の都市を舞台に、4人の作家が腕を競い合う連作の第一作。
架空の都市なんで、地名がいちいちミスオタのツボにはいります(笑)

「舞久浜」とか「鮎川鉄道」とか・・・ くすっ

「春」の「真幌市」を舞台にしたこの作品は、
大学生の湯浅くんの視点で話が進みますが、彼はどこにでもいそうな適当な大学生。
彼女の美波のぐちから物語は始まります。

もう、頭きちゃう。痴漢に遭っちゃったよ、しかも幽霊の。

え?幽霊?
それから、7階から突き落としたはずなのに忽然と消え真幌川で死体で発見された男や
真幌市で撮影された心霊写真だとか、とにかく真幌市では怪異な現象の連続

はたして、カノコが突き落とした男を殺したのは誰なのか?
そして度重なる、怪異現象の謎は?

のんびりした空気の大学生ミステリです。

中篇なので大変読みやすく読み応えもあると思います。
同じ都市を舞台にしても4人の作家の特性が出ていて、面白い企画だったと思います。
ぜひ他のもあわせて読んでみてくださいね♪