百器徒然袋―風 京極夏彦 

 

京極 夏彦 / 講談社(2004/07/06)
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調査も捜査も推理もしない。ただ真相あるのみ!眉目秀麗、腕力最強、天下無敵の薔薇十字探偵・榎木津礼二郎が関わる事件は、必ず即解決するという。探偵を陥れようと、「下僕」の益田や本島に仕掛けられた巧妙な罠。榎木津は完全粉砕できるのか?天才の行動力が炸裂する『五徳猫』『雲外鏡』『面霊気』の3編。

中編3本の、はちゃめちゃ探偵小説第二弾です。

『五徳猫』
本島が偶然知り合った女性は休みなしでこき使われつづけ、母に会いに行くこともできないという。
彼女が持っていた招き猫。
それだけが母とをつなぐ絆。
招き猫の招く手の左と右の違いの謎と、10年前起こったと言う殺人事件の謎に迫る。
もうダマすために京極堂も悪乗りしまくりの、大騒動。
・・・・完全コメディです。

『雲外鏡』
探偵を陥れるために、誘拐された本島
榎木津の視えるという能力を霊感探偵を名乗る人物が暴いて見せると言う。
・・・いや〜これも・・・普通の人は所詮榎木津に勝てはしないというお話ですね(笑)

『面霊気』
本島の住む長屋でガラクタが盗まれる窃盗事件が発生。
また下僕の益田は空巣疑惑をかけられ、警察に追われる身。
榎木津は「にゃんこー!」と叫ぶ怪盗に変身・・・。
本編ではあんなにシリアスなメンバーもめちゃくちゃになってます。
壊れてますねぇ(笑)
ストッパー役の京極堂からして率先して榎木津と徒党組んじゃってますからねぇ。

何にも考えずに、楽しめる本です。

京極堂シリーズを制覇していればなおのこと、ギャップに笑えます。
一応、キャラクターは繋がってて、本筋とは関係ないながらも、会話の端々に本編の事情があらわれているので、読破された方には「ああ、これはあの話だな( ̄ー ̄)ニヤリ」と思ってもらえるかと。

もちろん京極堂シリーズを知らずとも十分楽しめます。