邪魅の雫 京極夏彦 

 

京極 夏彦 / 講談社(2006/09/27)
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「殺してやろう」「死のうかな」「殺したよ」「殺されて仕舞いました」「俺は人殺しなんだ」「死んだのか」「──自首してください」「死ねばお終いなのだ」「ひとごろしは報いを受けねばならない」
昭和二十八年夏。江戸川、大磯、平塚と連鎖するかのように毒殺死体が続々と。警察も手を拱く中、ついにあの男が登場する!「邪なことをすると──死ぬよ」

相も変わらず分厚い・・・4.5センチです(笑)
今回の話は・・・主人公がいっぱい?と言う感じのお話です。

榎木津の縁談が次々と破談、しかも殺人まで。
だれかが榎木津の縁談を妨害しようとしているのではないか?
そう考えた榎木津の叔父、今出川は薔薇十字探偵社の益田に調査を依頼する。
まったくつながりがないような毒殺事件が連続して発生。
警察上層部は連続殺人と断定するが、被害者たちには何の共通点もなかった。
目撃情報も錯綜し、誰が誰なのか、どんな役割をしていたのか。
話は二転三転し捜査現場は混乱の一途をたどる。

読者視点でも、同じ名前で違う人物がでてくるので、現場の人たちと同じく「あれ?」という状態に・・・
今まで京極堂シリーズでは、事件は関口がらみがほとんどで、巻き込まれるのも
最悪の事態に陥るのも関口という感じだったのですが、今回はちょっと違いますね。
関口の事件ではなく、榎木津の事件なので。
沈み込んだ榎木津なんて・・・。
そしてしっかりした発言をする関口・・・
いつものメンバーらしくないというか。
憑物落としが終わっても、むなしいというか救われなかった気持ちが残ります。
自分が正しいと思うことは諸刃の剣で、訳もわからず殺されるのはまったく救われないですよね。
まぁ訳が分かれば殺されても良いと言う話ではないですが

あまりの分厚さに肩が痛くなったほどですので(笑)
通勤・通学時に読むのは大変だろうと思います。
物語は視点が次々切り替わっていくので、連載小説のようで、読みやすいと思います。
というわけで重さを考慮しなければ細切れ時間でも読める本なので、どうぞかばんの中に(笑)