塗仏の宴―宴の支度― 京極夏彦 

 

京極 夏彦 / 講談社(2003/09)
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「知りたいですか」。郷土史家を名乗る男は囁く。「知り―たいです」。答えた男女は己を失い、昏き界へと連れ去られた。非常時下、大量殺戮の果てに伊豆山中の集落が消えたとの奇怪な噂。敗戦後、蔟出した東洋風の胡乱な集団六つ。十五年を経て宴の支度は整い、京極堂を誘い出す計は成る。シリーズ第6弾。

関口は雑誌『實録犯罪』の妹尾から「村を探して欲しい」と依頼される。
15年前、『へびと村』というところで駐在をしていた光保という元警官。
15年ぶりにその村へ行って見ると、そこには15年前とはまったく異なる人々が住み、しかもそれは15年どころではない昔から代々住んでいるという。
しかし、家のたたずまいや道などは光保の記憶と違いない。
『へびと村』は存在したのだろうか?
それを探して欲しいという依頼である。
その『へびと村』の佐伯家には、『くんほう様』という人に似た形の死なない生き物がいるのだそうだ。
そしてその肉を食べたものは不老不死になるという―。

朱美は松原で首を吊ろうとしている男を助ける。
男は村上と名乗り、子供の頃薬売りが怖かったと言う。
郷里では薬売りが人攫いをしていたと。
また界隈では『成仙道』という宗教団体が活発に活動をはじめ、しつこい勧誘が行なわれる。

『ぬっぺっぽう』『うわん』『ひょうすべ』『わいら』『しょうけら』『おとろし』
6つの妖怪になぞらえて、宴の支度が整っていく―。

塗仏の宴―宴の支度―が前編。
塗仏の宴―宴の始末―が後編にあたる分冊となっています。
分厚い(笑)
説明もしきれないほどの分量です。
怪しい宗教団体やら、『ひょうすべ』を見たと言う女性やら予言通りに行動してしまう女性。
そして関口の起こす事件。
この本1冊がまさに『支度』なわけです。

骨の髄まで京極ワールドに浸かりましょう!(笑)