まほろ市の殺人〜秋〜 麻耶雄嵩 

 

麻耶 雄嵩 / 祥伝社(2002/06)
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「早く乗せて!」非番の刑事天城憂の車に、女性が乗り込んできた。真幌市在住の有名なミステリー作家闇雲A子だった。この春から十一件も連続して殺人事件が発生している。その「真幌キラー」をA子は追っていたのだ。死体の耳が焼かれ、傍には必ず何かが置かれている。犬のぬいぐるみ、闘牛の置物、角材・・・。真幌市を恐怖のどん底に陥れる殺人鬼の正体とは?

架空の都市「真幌市」を舞台にした4人の作家の競作、第4弾です。
主人公もストーリーもまったく別物ですが、ちらりとつながりをうかがわせる文章があらわれたりします。

さえない刑事天城憂。
時々鋭い推理を展開させると言われる天城だが、実はその推理は彼の妻アキの推理だった。
そんなことは知らないA子は天城を捜査のお供として指名。
彼はA子によってメランコリー刑事などとあだ名されたあげく、A子と「真幌キラー」の捜査をすることに。
しかし被害者は次々と現れ・・・。

「なぁ、アキ。「真幌キラー」はどうして小物なんか置くんだろ?メッセージなのはわかるけど」

「意味があるからでしょ。考えれば、きっと解るはずよ。ちゃんと直視すれば」

果たして天城とA子は真幌キラーの正体をつかむことができるのか?

中篇なので大変読みやすく読み応えもあると思います。
同じ都市を舞台にしても4人の作家の特性が出ていて、面白い企画だったと思います。
ぜひ読んでみてくださいね♪