長い長い殺人 宮部みゆき 

 

宮部 みゆき / 光文社(1997/05)
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殺人事件が発生。 その事件の被害者、目撃者、事件を捜査する刑事など登場人物がひしめきあい、
事件はいっそう謎に包まれます。
そして話を進めるのは・・・財布。
登場人物たちの財布が事件について語っていきます。

この作品の面白いところは、文章が財布のモノローグでつづられてるのです。
財布がしゃべるんですよ。
変わった切り口ですよね。
「財布を見れば人がわかる」とはいいますが、とても個性豊かな財布達。
財布同士のコミュニケーションがあったりして、「聞いた話では・・・」いろんな話を語ってくれます。
事件そのものはトリックとかそういうことは関係ないのですけど、単純な事件をここまで魅力的に書いた筆力に脱帽です。

もともと宮部さんの作品は読みやすいものが多く、ぐいぐい引きこまれて自分でも意外なほど分量を読んでることが多いですが、これは財布達の話がリレー形式で進むので短編集のような気楽な気持ちで読みすすめられます。
私は最後まで一気に読んでしまいましたが、これは時間のない方、短編しか読まないよって言う方でも読みやすいんじゃないでしょうか?