パーフェクト・ブルー 宮部みゆき 

 

宮部 みゆき / 東京創元社(1992/12)
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マサという警察犬を引退した犬が、探偵事務所を営む父娘に飼われているのですが、そこに持ちこまれた事件を父娘と共に解決していきます。
蓮見探偵事務所に家出人捜索の依頼が入り、調査員蓮見加代は少年諸岡進也を探しに夜の酒場に出かけていきます。酔っ払いに絡まれたところを当の進也に助けれられ、その後家に送り届ける途中少年の兄で高校野球のスターである諸岡克彦が燃やされている現場に遭遇します。
何故彼は殺されなくてはならなかったのか?
克彦の元チームメイトの不穏な動き、またそれだけではなくその元チームメイトも浴槽でおぼれて自殺しているのが見つかります。
しかし現場に残された遺書には不審な点も・・・。
そして話は過去にさかのぼり・・・。

「長い長い殺人」ではサイフがしゃべってましたが、これは犬の視点です。
単なる三人称にかわるとこもありますけどね。

ラストには物悲しい話が用意されています。
家出少年だった進也の明るさが、場面の暗さを救っています。
また犬であるマサの視点から語られることによって、ドロドロした感じがあまりでなくて済んでるのかもしれないです。

この作品は中学生や高校生に読んで欲しいです。
さほど長くもなく、文章も読みやすいですし。
推理小説と言うだけでなく、「家族」の物語であると思います。
この結末を愚かしいと思うか、物悲しいと思うか、それとも他のことを思うかは様々でしょうが、「親」と言うものを嫌う年頃の子に家族について考えさせてくれる話だと思うので。

これを読んでどう感じるか、というのが今のあなたが感じている親子関係を反映してるのではないでしょうか。