天狗風 宮部みゆき 

 

宮部 みゆき / 講談社(2001/09)
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一陣の風が吹いた時、嫁入り前の娘が次々と神隠しに―。不思議な力をもつお初は、算学の道場に通う右京之介とともに、忽然と姿を消した娘達の行方を追うことになった。ところが闇に響く謎の声や観音様の姿を借りたもののけに翻弄され、調べは難航する。『震える岩』につづく、『霊験お初捕物控』第2弾。

江戸時代の下町を舞台に、料理屋の看板娘のお初が、自分の不思議な力と右京之介と共に謎を解くシリーズ第2弾。
前作『震える岩』でコンビを組んだ二人は、前よりも良い感じの関係になっています。
おきゃんなお初と優柔不断な優男右京之介のやりとりはなかなか面白いです。

嫁入り直前の娘達が連続して神隠しにあい、最初の被害者おあきの父政吉は「自分がおあきを殺めた」と告白した後首をつって死んだ。
しかしどうしても政吉が最愛の娘を殺すとは信じられない同心・柏木御前様を通じてお初右京之介に謎を解いて欲しいと依頼する。
お初が謎を解こうと活動を始めると、魔風が猫の首を切り落としていき、「邪魔をするなら殺す」と脅してくる観音姿のもののけ。
はたして事件の真相は?

前作よりも、『霊験』ちっくになっています。
ミステリではありますが、本格推理ではないでしょう。
しかし、お初右京之介の軽妙なほほえましいやり取り。
かわいい味方・とのやりとり。
観音姿のもののけの正体。
楽しめる1冊であることは確かです。
きっと最後まで一気に読んでしまうことでしょう。