人形式モナリザ 森博嗣 

 

森 博嗣 / 講談社(2002/11)
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避暑地に建つ私設博物館「人形の館」。そこに常設されているステージで、衆人環視の中「乙女文楽」の演者が謎の死を遂げた!被害者の一族では、2年前にも、新婚の青年が殺されていた。悪魔崇拝者だった彼は「神の白い手」に殺されたのだと、若き未亡人は語るのだが!?ラストの一行で、読者を襲う衝撃の真実!

「Vシリーズ」2作目。

今回の舞台は蓼科。
別荘地ですね。
江尻駿火という彫刻家が愛人である女性に贈った人形たち。
その中に彼の最後の作品「モナリザ」があるという。
しかし千体もある人形のどれがそれなのかは不明。
同じく地元の美術館に寄贈された江尻の弟子の絵が盗まれる。
モチーフは「モナリザ」
江尻の最後の人形「モナリザ」との関連性は?

愛人の女性は「乙女文楽」の継承者であるが、舞台公演中に高いやぐらの上で刺殺される。
しかし舞台上で騒ぎがあるまでは、確かに彼女は人形を動かし演技をしていたのだ。
にもかかわらず、犯人の姿は誰にも目撃されておらず、不審者さえ目撃されていなかった。
彼女はどうやって殺されたのか?

最後の人形「モナリザ」の行方という謎と
衆人環視のなか刺殺される、という開かれた密室での殺人の謎が交錯しつつ物語は進みます。
ミスリードするための情報も散らばってることですし、真実はなんなのかを予測しながら読むと楽しいです。

森氏の作品は、変わった視点から淡々と進んでいくお話が多いような気がします。
ちょっとキャラ設定も濃いですしね。
若干好き嫌いの分かれる作家さんではないでしょうか?

個人的には、文章表現にひっかかりを覚えるものの、
発想は面白く楽しめる作家さんだとおもいます。