四季〜春〜 森博嗣 
『すべてがＦになる』の天才科学者、真賀田四季の少女時代。叔父、新藤清二の病院で密室殺人が起こる。唯一の目撃者は透明人間だった！？全てを一瞬にして理解し、把握し、思考する才能に群がる多くの人々。それを遥かに超えて、四季は駆け抜けていく。其志雄は孤独な天才を守ることができるのか！？四部作第一幕！！
Ｖシリーズの最後『赤緑黒白』で瀬在丸紅子と接触のあった真賀田四季。
そのシーンの四季側からの記述もあります。
各務氏とも繋がりがありますので、Ｖシリーズを読まれた方には結構楽しめるリンクですね。
もちろんそれは脇の部分であって、本編は密室殺人の謎。
そして・・・読者を混乱させる『僕』と『其志雄』の存在の謎。
もっともメインなのは『すべてがＦになる』に至る天才の思考および成長のトレースですね。
個人的には、こんなにほいほいと「多重人格」ができてたまるか！って感じなんですけれど（笑）
それだけこの血は天才過ぎたと言うことなんでしょうか。
『僕』と『其志雄』の独白が多いですからあまりミステリぽくないです。
いきなりコレを読んでも面白いと思いますし、これだけで十分読めるようには作られていると思いますが、個人的にはせめて『すべてがＦになる』を読んでから読むほうがいいと思います。