月は幽咽のデバイス 森博嗣 

 

森 博嗣 / 講談社(2000/01)
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薔薇屋敷とも、月夜邸とも呼ばれる豪邸には奇妙な噂が囁かれていた。狼男が住んでいるというのだ。邸内のオーディオルームで血まみれの死体が発見される。衆人環視で密室状況の室内は、何故か床が水に濡れ、ガラスの破片が散らばっていた。瀬在丸紅子が指摘する意外なる真相とは!?

「Vシリーズ」第3弾。
パーティ会場で被害者の女性が姿を消してから死体となって発見されるまでの時間は30分たらず。
その間に彼女の死体は酷く引きずられ、辺りは血の海に。
そして何故かこぼれてる水槽の水。
しかしポンプのホースは外れてはいない。
誰もいないはずの庭で一人話す女性。
遠くで聞こえる狼の遠吠え。
舞台となる奇妙な噂の付きまとう豪邸。
・・・妖しげな雰囲気でミステリらしい感じがします。

ロジカルかつ大胆な謎解き。
もしかしたらこの真相が気に入らない人もいるかもしれないですね。
私としてはこういうのもたまにならいいかな、と思います。

個人的に気に入ったシーンは紅子の家に元夫の恋人(愛人?)七夏が訪れた時。
突然の訪問に汚れた白衣で応対してしまった紅子が着替えてくるシーン。
女心を表してますよね〜。
ライバルの前で負けたくない気持ちがよくあらわれてて、「紅子さんかわいい」と思いました。
私もそうすると思うわ、紅子さん。
服は女の鎧ですもの♪