きみとぼくの壊れた世界 西尾維新 

 

西尾 維新 / 講談社(2003/11)
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禁じられた一線を現在進行形で踏み越えつつある兄妹、櫃内様刻(ひつうちさまとき)と櫃内夜月(ひつうちよるつき)。
その友人、迎槻箱彦(むかえづきはこひこ)と琴原りりす
彼らの世界は学園内で起こった密室殺人事件によって決定的にひびわれていく・・・・。
様刻は保健室のひきこもり、病院坂黒猫とともに事件の解決に乗り出すが・・・

メフィスト賞を受賞されてます。1981年生れの方だそうで、・・・
・・・若いなぁ。どうやら京都の人らしいですが。
立命館に在学中に賞をとったとかって書いてありました。

私この方初めて読みました。
何だか難解な名前と言うか、変な名前ばかりでてきます。変わったネーミングセンスです。
現実の名前としては無理ある。
ていうか、病院坂黒猫って・・・いや、本格ファンとして、わかるけども!
名前としてはどうなのかな?それ。
それ以外の名前も意味深ですよね。
ノアの箱舟とリリス・・・聖書
まぁこの世界観には関係のある名前ですけどね。
兄妹も私には判らないけど、何か意味があるんじゃないでしょうか。

文章としては若い子向きでしょうか。
表紙もマンガっぽい絵がかかれていていかにも若い子向けです。
登場人物たちは高校生らしくひねくれたものの考え方をしてたりします(笑)
若干毒のある発言とかがあります。
あと発言をやたら難解にしようとしたりしてます。
発言が含みをもってて謎だ、というわけじゃないです。
なんていうか知ってることを全部いいたいって感じの難解さ、専門用語だって使っちゃう!ついてこれないなんて君はいままで何を習ってきたんだい?的な発言でしょうか。
うーん。キャラの若さを表現するとそうなるのか、それとも作者の理に走りすぎる頭脳がそういう文章およびキャラを生み出しているのか・・・。
そしてあらすじを読むと本格バリバリ?とか思いましたが、謎解きのほうはあまりメインではない感じをうけました。キャラクタのほうがメインのような感じ。
かといってキャラクタに感情移入できたかといえばそうでもなく・・・・新感覚ミステリって奴でしょうか。
いや、この作品には上記の5人と被害者の少年以外はほとんど存在しないので、なおさらかな。
その登場人物が閉鎖されて空間でもないのに限られているというのも意図されて書かれているのですけど。

作者自身は本格へのこだわりがあるらしく、随所でいろんなミステリ観を披露してくれています。
意気込みは感じられるかな。
ただ登場人物たちに作品や作者の世界観を語らせることに一生懸命過ぎるんじゃないかとは思いました。
もう少し押さえたほうが読みやすい。
ちょいと私には素直に読みづらい文章でしたね(苦笑)
ジェネレーションギャップかなぁ。