麦酒の家の冒険 西澤保彦 

 

西澤 保彦 / 講談社(1996/11)
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匠千暁たちが迷い込んだ無人の山荘。家具も内装もないからっぽの室内にあったのは、一台のベッドと、なぜかクローゼットに隠された冷蔵庫の中にある、冷えたビールのロング缶96本とジョッキ13個だけ。誰が何の目的で?匠千暁と仲間達はビールを飲み続け、推理に推理を重ねる。果たして真実に辿り着けるか?

私この話を知ったのは二階堂氏の「サトルシリーズ」でこれをモチーフにした短編がありまして、そちらの解説からです。
迷い込んだ山荘で、空腹の4人がとりあえず目の前のビールを飲みながら「何故このような奇妙な山荘があるのか」について話続けるわけです。
無事山を降りてからも話続ける・・・。
4人は同じ国立安槻大学の大学生。
匠千暁・通称タックタックの先輩辺見祐輔・通称ボアン先輩タックの同級生高瀬千帆・通称タカチ、そしてその友達ウサコちゃん。
大学生という設定なので、青春チックな気配も漂わせつつ。
終始、この謎だけ。
一つの謎でココまで話を持っていける筆力っていうのもスゴイよね、と感心しました(笑)
結構関係ないウンチクとかで水増ししてたりする人もいますから(それはそれでおもしろいんですけどね)、一切それずにその話だけっていうのは大変なんじゃないのかと。
どれだけ仮説がでてきて、どれだけ周りの仲間を説得させられる内容か、っていうのに挑戦したといいますか、私はとても面白く読みました。
ずっと読んでいるとまるで自分もこのメンバーの中に入って一緒に考えこんでるような気分になれますよ。