朝びらき丸 東の海へ C・S・ルイス 

 

C.S.ルイス, 瀬田 貞二 / 岩波書店(2000/06)
Amazonランキング:4,910位
Amazonおすすめ度:


いとこのユースチスの家にきていたエドマンドルーシィは、その部屋の額の絵の中に吸い込まれます。そこはナルニアの外海で、カスピアン王が、「朝びらき丸」にのって航海にでるところでした。

『ライオンと魔女』『カスピアン王子のつのぶえ』はナルニア国内での争いの話でしたが、この作品は前作『カスピアン王子のつのぶえ』に出てきたカスピアン王子が王となり、平和となった時代の話です。
カスピアン王はおじミラースが追放した父王の側近だった7人の貴族を探しに大海原にでてきたのです。
まだ見ぬ土地へ探しに出かけるわけですからこれは大冒険です。
ファンタジーにふさわしく、面白い島がたくさん出てきます。

今回、ナルニア行きに初参加のユースチスは根性が捻じ曲がってて威張るのが大好きで、かといって自分では何もできず、被害妄想の男の子です。
どの話にも一人はダメ人間がいるものですが、彼がその役割を担ってます。

おかげで狭い船内でもめごとは絶えず、島に上陸しても問題発生。
トラブルメーカーですね。
前作にもでてきたネズミの族長にして勇敢なる騎士リーピチープとは表立って衝突すること多数で、小さい体に騎士の精神を持ったリーピチープにはユースチスは卑怯で卑小と映るのだろうと思われます。
私はリ―ピチープは私達がそうありたいと願う理想像でユースチスはこうあってはならない典型という正反対のものを現してるのかな?と思っているのですが。
肉体的に立派でも精神的に立派でないといけないというか。

逆に肉体が立派でなくても精神が立派であれば人として素晴らしいのであるということを言っているのかなぁと思います。