馬と少年 C・S・ルイス 

 

C.S. ルイス, C.S. Lewis, 瀬田 貞二 / 岩波書店(2000/11)
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強国カロールメンの漁師の養子シャスタは、父が自分を奴隷に売ろうとするのを知り、ものいう馬ブレーと共にナルニア目指して逃げ出します。一行は途中で、ナルニアを不意打ちにしようというカロールメンの計略を知り、急ぎに急ぎますが・・・・・・。

ナルニア国全盛時代。
ピーターがナルニアの一の王であったころの話です。
ここでは、こちらの世界からナルニアへ迷い込んだ子供はおらず、(厳密にはピータースーザンエドマンドルーシィはこちらの世界の子供ですが)ナルニア国と周りの国々の人達の話です。

カロールメン国は浅黒い肌をした強暴且つ残忍な人種の国で、戦好きです。
シャスタは白い肌をした拾われ子でしたが、タルカーン(大貴族)が彼を奴隷として買いにやってきます。
今までも散々な目にあわされてきたシャスタでしたが、タルカーンの乗ってきた軍馬が「逃げなければもっと酷い目にあわされる」と教えてくれ、彼はその軍馬ブレーとともにナルニアを目指すことに。
ブレーはナルニア国の住人でしたがさらわれて軍馬として使われていたのです。
そして一路、ナルニアを目指す途中で、アラビスという大貴族の娘とフィンというものいう馬のコンビと出会うことになります。
彼女達もカロールメンを逃げ出しナルニアへ向かう旅路の途中でした。

その後、アラビスはカロールメンの王族達が和平を結んでるはずのアーケン国を襲い、その後ナルニアを襲撃しようという相談をしているのを聞いてしまいます。
そしてそれをアーケン国王に伝えるため必死に走りつづけます。

この話は、イヤなやつは旅の仲間には居ないし、シャスタアラビスも勇気ある少年少女で見ていて気持ちがいい子供です。
もちろんこの年頃の子供ですからちょっとは揉めますけれど(笑)
ブレーはちょっと自分のことを鼻にかけるところがありますが、イヤだと思うほどでもありません。
フィンは思慮ぶかい馬で、気性のやさしい女性(?)です。
なので、結構登場人物をすんなり気に入ることができると思います。

ひたすら「がんばれ!」と応援したくなるようなお話でした。
登場人物がさわやかっていう感じですね。
さすがにナルニア国全盛時代のお話ですね。
悪いのはカロールメン国の人達で、アーケン国やナルニア国には悪い人はいないという善悪はっきり。
勧善懲悪です。
うーん。ヒーローものっていってもいいかもしれません。