出雲伝説7/8の殺人 島田荘司 

 

島田 荘司 / 光文社(1988/04)
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山陰地方を走る六つのローカル線の駅に、流れ着いた女性のバラバラ死体!
なぜか七つ目の胴体は大阪駅で見つかったが、首はついに発見されなかった。
捜査の結果、殺された女性は死亡推定時刻に「出雲1号」の個室に乗車していたらしい・・・。
休暇で故郷に帰っていた捜査一課の吉敷竹史は、偶然にもこの狂気の犯罪の渦中に・・・。

島田氏の吉敷竹史シリーズ第2弾です。
トラベルミステリーです。
舞台が山陰なので分岐点である「姫路」とか出てきて私にはなじみのある路線の名前がでてきたりして、違う意味で楽しめました。
トリックは・・・「ほおお」と感心しました。
バラバラ死体って必然性を求められますが、ちゃんと必然性があります。
ただ本当に可能かどうかはかなり疑問ですけどね。

犯人の意図は、タイトルどおりです。
視覚的に捕らえると(地図上では)とても美しいです。
現実味はあまり感じられないものの絵画的な美しさのある作品ではないかと思います。

吉敷さん御手洗と違ってまともな人です。
変人でもいかにも名探偵でもありません。
なんていうか、さらさらと謎をといてしまうのでさわやか天才系の刑事さんです。
アクのない感じですね。
話自体もさらっと読めます。

吉敷シリーズは光文社から、御手洗シリーズは講談社と角川から出てるので本屋で探しやすいです。
御手洗シリーズを苦手とする人でも、まったく文体も異なるので読みやすいはずです。
でもトリックは御手洗シリーズに負けず劣らず面白いです。
島田氏を読んだことの無い方、アクが強いのはちょっと・・と言う方にお薦めします。