占星術殺人事件 島田荘司 

 

島田 荘司 / 講談社(1987/07)
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怪事件は、一人の画家の遺書から始まった。その内容は、六人の処女から肉体各部をとり、星座に合わせて新しい人体を合成する、というもの。
画家は密室で殺された。そして一ヵ月後には、六人の若い女性が行方不明!
奇想天外の構想、トリックで名探偵御手洗潔をデビューさせた、衝撃的傑作。

ミステリ界をひた走る、驚愕トリックを連発してくれる島田荘司氏の描く名探偵御手洗潔のデビュー作です。
燦然と輝くトリックが秀逸な作品です。
発表から20年近く経った今も色あせない傑作です。

ホームズ役は御手洗潔。
ワトソン役は石岡和己。
二人は横浜の馬車道で同居人として暮らしています。

んー?何かを連想させる設定です(笑)
典型的な名探偵と助手のパターンです。
最近は名探偵といえども、成り行き上私が解決しなきゃいけなくなっちゃったっていうパターンが多いんですがこれは、自分が謎を求めてるっていうパターンです。
御手洗はホームズのように頭が切れ、常に刺激を求めて変わった謎はないかと探しています。
行動もかなり奇矯で同居人の常識人石岡君はいつもはらはらドキドキ(笑)
でも御手洗の行動は無意味に見えても、気違いのようだといわれても、ちゃんと理屈に基づいて行動しているのです。
こういう天才肌な周りの視線を気にしない探偵は、常識人で普通そうだけど天才っていうキャラの中、かなり目立ちますね。

しかし、冒頭の梅沢何某の手記。
ややっこしくてわからんねん!と読みながらつっこみました。作中で御手洗自身も「電話帳を読まされたみたいだ」というほどの退屈さ。
ここで挫折する人は多数いるでしょう。
現にそういう話は良く聞きます。

手記は最初ぱらぱら読んで後で読み返すってことでもいいからとにかく読んで欲しいです。とりあえず概略さえ頭にいれれば問題なしです。
星座がどうとか言う話は頭に残ってなくても大丈夫。

ちゃんと謎を解くための情報は出揃います。
途中で作者からの挑戦状が入っているので、我こそは!と思う方、挑戦してみたらいかがでしょうか?
私はさっさとあきらめて続きを読んでしまいましたが(笑)

トリックばらしちゃうっていうのはタブーですから言えないですけど判った時は「そんな方法があったとは!」と思いました。
そのとき、「私も40年間だまされた人達と同じだわ」と思いましたね。そして「作品の初めからうまくだまされたなぁ」とも。

御手洗シリーズはパスティーシュノベルも多数出ている超人気シリーズです。
もう一つ吉敷シリーズっていう刑事モノがあるんですが私こちらは数冊しか読んでおりません。
残念。
続く作家さんたちにも大きく影響を与えていますので、ぜひ読んでみてください。