未明の家 篠田真由美 

 

篠田 真由美 / 講談社(2000/01)
Amazonランキング:149,755位
Amazonおすすめ度:


建築探偵・桜井京介を訪ねた古風な美少女の依頼は『閉ざされたパティオ』を持つ別荘の鑑定と主である祖父の死の謎を解くことだった。少女の一族を巻きこむ不可解な事故死、そして自殺未遂。事件はすべて別荘をめぐって起きた。ミステリアスな建築造形に秘められた真実を、京介が追う!

少女の名は遊馬理緒
彼女の祖父・遊馬歴が住んでいた別荘が彼の死に伴い取り壊される話が出ていると言う。
その別荘の取り壊しをやめさせるため、家の鑑定を桜井京介に依頼にきたのだった。
理緒は自分の母が祖父を殺したのだという。
そして祖父の死後彼が持っていた宝石『ブルーサファイア』がなくなったと・・・。
その後理緒の父の自殺未遂が起こるが・・・それも彼女は母の仕業だという。
果たしてその真相は?

桜井京介はW大学文学部大学院生修士3年の25歳。
彼になつくと呼ばれる少年は15歳。
しかし学校へ行っている様子はなく、彼の名前も『蒼』としかわかりません(後の作品でわかりますが)
そして京介と同級生の栗山深春
名前からは想像できない毛むくじゃらの隈のような大男。
この3人がメインの人物ですね。

京介が探偵役。
それもかなりやる気のない。
ほんとは探偵なんてしたくないけど、成り行き上仕方なくするという感じです。
物凄い美形だけれども、顔のことでとやかくいわれるのがイヤで、鼻のあたりまで長く伸ばした髪で顔を隠しています。
は15歳だけれど、本名は謎で、学校にも行ってなくて京介に付いてW大学に入り浸っています。
彼にもスゴイ過去があることは、シリーズを読みすすめていくと分かります。
栗山深春は放浪癖のある気のいい青年。
豪放磊落?って感じですね。
キャラクタとしては面白い設定ですが、若干少女マンガ風味です。

文章はわりと読みやすいですが・・・少しベタついた感じがするかな。
伏線を張りすぎてクドイのかもしれません(苦笑)
ゆっくりした文章運びですね。
主人公が根暗ぽいのも原因?
感情が表に出てきてる感じを受けるミステリです。
ロジカルでパズル的なものを好む人には向いていないかもしれません。
パズル的なミステリではないですが、推理が二転三転するので楽しめると思います。
基本的に女性のほうに好まれそうなミステリです。