QED〜ventus〜鎌倉の闇 高田崇史 

 

高田 崇史 / 講談社(2004/08/06)
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「"神"は三種類に分類される……まず第一が、大自然。次は祖霊。最後は、時の朝廷に対して戦い、恨みを呑んでなくなっていった人々」。銭洗弁天、鶴岡八幡宮、御霊神社……鎌倉をそぞろ歩く奈々沙織の棚旗姉妹に、桑原祟が説く「鎌倉=屍倉」の真実!源三代にまつわる謎の答えが、闇の中に白く浮かび立つ!!

ちょっと薄めなので長編と中編の間くらいの分量でしょうか。
分量的には多すぎず少なすぎずちょうどよいかもしれません。
このQEDシリーズを読んでいて個人的に思うことは、歴史の謎を解くのと現代の殺人事件の謎を解くのが同時並行に行なわれている設定な割に互いの絡みがあっさりしてるなぁ、ということ。
他の作家さんのはもっと絡んでるので、なんとなく物足りない感じはしなくもないですね。
今回の作品はそれがもっとも強く感じられます。
紙の分量増やすために殺人事件を書きましたか?と聞きたくなるくらいには接点少ない・・・。
ということで私はこのお話は殺人事件の話と言うよりは・・・鎌倉に対する解釈が面白い話として読みました。
源頼朝なんかに対しての「義経を殺そうとした冷酷な兄」というイメージを変えてくれることは間違いなし。
判官びいきの日本人としてはどうしても義経側から見てしまって、頼朝=極悪非道っていう感じさえ持ってたんですけど・・・当時の背景を知ると頼朝も結構な苦労人だなぁと思いますね。

分量もさほどなく、鎌倉の名所を巡りつつ謎を解いていくのでちょっと観光気分にも浸れたりして、比較的読みやすいと思います。
時間の隙間でよむのも良いかもしれませんね。