QED―龍馬暗殺― 高田崇史 

 

高田 崇史 / 講談社(2004/01)
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人の住んでいる家は四軒しかない、高知の山奥にある蝶ヶ谷村。嵐による土砂崩れで、麓への一本道が塞がれる中、殺人と自殺の連鎖が十人の村人達を襲う。村を訪れていた奈々たちは否応なく事件に巻きこまれるが、その最中、龍馬暗殺の黒幕を決定付ける手紙の存在を知り……。博覧強記・の推理は、悲劇の輪廻と、龍馬殺害にまつわる最大の謎を時空へと解き放つ!

奈々の妹・沙織初登場。
幕末フリークでやたらそのあたりに詳しく、といい勝負。
いい味だしてます。
嵐の中、陸の孤島となった集落で起こる殺人。自殺。
そして白熱する「龍馬暗殺」の真相についての議論。
なんでよりにもよってこんなときに?と突っ込みたい気持ちは山々だけれど
幕末ってなんだか興味を引かれる時代なので、思わず不自然さをねじ伏せて読んでしまいました(笑)
10人しかいない村で殺人やら自殺やら怪我人やら続出してる割には冷静にそんな話しててええんかな?って思いますけど・・・気にしない気にしない(笑)
龍馬暗殺に関してそんなにいろいろ犯人がいたなんて知らなかったなぁとあらためて思いましたね。
ミステリのほうは・・・嵐の山荘ものであるわけですから、残った村人の中に犯人がいるのは必至。
殺したり自殺したりする動機が不明でわかりづらいためなかなか犯人は特定されません。
村の悲劇的な伝統の謎が解けてようやくわかるその全貌。
一つの信念をかけて生きたという点では幕末の人達とこの村の人たちは同じなのかな?
それゆえに悲劇的ではかなく美しい、物寂しさが読後胸の中に広がることでしょう。

この作品は殺人事件よりも龍馬暗殺の謎のほうがメインに置かれてるような気がしてならないです(笑)
幕末フリークにオススメ!な1冊です。