銀の檻を溶かして 高里椎奈 

 

高里 椎奈 / 講談社(1999/03)
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とある街の一角に、その店は存在する。燻べたような色の木の床、木の壁、木の天井。まるでそこだけ時に取り残されたかのような―その店。蒼然たる看板に大書された屋号は『深山木薬店』。優しげな青年と、澄んだ美貌の少年と、元気な男の子の三人が営む薬種店は、だが、極めて特殊な「探偵事務所」で…!?メフィスト賞受賞作!!

薬屋を営むのは3人(?)の妖怪。
深山木秋(ふかやまぎ・あき)は美少年で薬店の店主。
座木リベザルは一緒に薬屋をしていますが、それぞれの詳しい素性まではわかっていません。
リベザルは元気の良い少年のなりをしています。
彼はを「師匠」、座木を「兄貴」と呼んで慕っています。
まぁこれだけでも十分変わった設定ですよね。

彼らは表では薬店を営みながら裏では探偵稼業をしています。
それも普通の探偵ではなく、妖怪がらみの事件を妖怪がやったとばれないようにするため探偵をしているのです。
妖怪を保護するには、その存在を知られぬほうがよいという判断のもと、探偵として事件の場に赴くことによりいち早く隠蔽工作してしまうために。

本作の事件は、小学校の校庭につくられた巨大な「雪の妖精」から始まります。
周りに足跡もなく誰がつくったのかと話題になっていたところ、その「雪の妖精」の中央から少年の死体が発見されるのです。
一体誰が彼を殺したのか?
そして薬店に探偵稼業を依頼しに訪れる不動産会社の社員。
彼は社長命令である女性に立ち退きを迫る仕事をさせられていたが、ある取り返しのつかないことをしてしまったと言うのです。
彼は一体何をしたのか?

かなり特殊な設定ですね。
妖怪全肯定ですからね(笑)
西澤氏の「チョーモンイン」シリーズとある意味ジャンルは一緒ですね(笑)

私はこの方の作品、今回初めて読みました。
このシリーズは何冊も出ていて人気のようでしたので、どんな話かなぁ?と思いまして。
後ろの作品紹介では、「本格推理で、少女マンガ系か?」と思ってたんですけどね〜。
まぁあながち間違いではないのですが・・・本格推理度は低いですね。
あんまりパズルっぽくもないです。
エピソードを盛り込みすぎですね。
そしてそれを無理やりリンクさせたって感じです。
主役の3人の設定は、いかにも少女マンガチックです(笑)
美少年に美青年、元気な少年(これはショタ狙いね(笑))
そしてそれぞれがミステリアス。
3人とも妖怪で素性が知れないのだから当たり前ですね(笑)

少女マンガチックな設定ながらも、本格パズル全面押しだし!って感じの作品かと思っていたのでちょっと期待ハズレ。
篠田氏の「建築探偵シリーズ」みたいなのを想定していたんですけどね〜。
もしかしたらシリーズを読み進めていくうちに、そういう本格色が強くなるかもしれません。
後はもうちょっと文章がまとまってくれるといいかなぁ。
ちょっと文章がバラけてる感じがします。
文章力に関しては後の作品に期待してます。

ガチガチの本格推理と思って読まないで下さい。
謎解きファンタジーって感じ?かな〜?