龍の館の秘密 谷原秋桜子

 

谷原 秋桜子 / 東京創元社(2006/12/21)
Amazonランキング:56357位
Amazonおすすめ度:


行方不明の父親を捜すため、倉西美波はアルバイトに励んでいる。今回は、「立っているだけで一日二万円」の仕事。でもバイト先での宴会の末、たどり着いた「龍の館」で、またもや殺人事件が勃発!被害者はなぜ溺死する寸前になるまで助けを求めなかったのか?「天使が開けた密室」で注目を浴びた著者が放つ、清新な本格ミステリ第二弾。未発表短編「善人だらけの町」を併録。

またしても武熊さんから紹介された怪しいバイト。
今度は「立っているだけで一日二万円」
この間ひどい目にあったばかりだというのに、武熊さんを信用する美波。
宴会の勢いのままなぜか京都へ。
バイト先の総本部である「龍の館」に着いた美波は親友・かのこと遭遇。
「龍の館」に泊まることになります。
「龍の館」は芸術家・佐伯龍之助が建てたトリックアートの館。
あちこちに龍が置かれ、不思議な世界をかもし出しています。
そこで発生する殺人事件。
今回も疑われ犯人扱いされる美波。
さらには命まで狙われ・・・。

前作より文章力が上がっています。
トリックも面白い発想で、わかりやすく、伏線も上手に張られています。
主人公が女子高生なので、用語もややこしい用語(ミステリでは普通に使われるレベルですけど)には説明が入りミステリになじみのない人が読んでもわかりやすい文章作りになっています。

美波の行動が危なっかしいのは変わりませんが、そのピンチを修矢が救うというヒーロー展開は、犬猿の仲だった美波と修矢の関係もちょっとラブな雰囲気を漂わせつつ。
青春ミステリですね。
美波のドジっ子ぶりが萌え要素かもしれないし、
少女漫画的キャラ設定も萌え要素かもしれません。
男性でも女性でも楽しんでいただけるミステリです。