砂の城の殺人 谷原秋桜子

 

谷原 秋桜子 (ショウコ) / 東京創元社(2007/03/10)
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行方不明の父親を捜すため、倉西美波はアルバイトに励んでいる。冬休み目前、今度は廃墟専門カメラマンの撮影助手を務めることになった。しかし、向かった先でミイラ化した死体を発見!しかもそれが、長年行方が知れなかった雇い主の母親だというから・・・・・・。この発見を契機に、崩れ落ちそうなその廃墟で、次々と人が死んでいく。著者渾身のシリーズ第三弾。新作書き下ろし長編。

今度のバイトは、「二日で五万円」
もちろん話の出所は武熊さん。
お人よしの美波はまたしても武熊さんの代打でバイトへ。
舞台は、廃墟。
そこでミイラ化した死体を発見。
さらに橋が落ちたといわれ、陸の孤島状態に。
死体が歩いたり、飛び上がったり、という目撃証言の中発生する殺人事件。
今度も密室殺人。
廃墟には長年のホコリがうずたかくつもり、足跡は被害者のものしかない。
そして一緒にいたのは、猫だけ。

美波のバイトに同行していた親友・直海とピンチに登場したかのこがすばらしい推理を展開。
探偵役は修矢じゃなかったのか、と思いましたが
最後の落としどころは修矢で。
やはりヒロインを救うのはヒーローですよね。
あんまり活躍してないけれど。

ちょっと強く踏むだけでも壊れる廃墟を「砂の城」とはなかなかステキなセンスだと思うのですがいかがでしょう。
前2作は既発表作品の加筆訂正でしたが、今回は完全書き下ろし。
美波の父親の行方もわかり、美波と修矢のラブ度も深まり・・・
さて、続編はでるのでしょうか?
徐々に本格ミステリとして、精度を上げてきたこのシリーズ。
ぜひ次も出して欲しい作品です。