マスグレイヴ館の島 柄刀一

 

柄刀 一 / 原書房(2000/11)
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内と外から施錠された「密室牢獄」の中で墜落死した男と、
周りを食べ物に囲まれたテーブルの上で餓死した男。
現代に甦った「マスグレイヴ館の島」は百年前の奇想のままに、不可思議な死で飾られた。
また、島の対岸の岬でも、時を同じくして関係者の死。
絶壁まで続いた足跡は飛び降り自殺としか思われなかったが……。
符合のように繰り返される「墜落死」
海を隔てた島と岬で起こった連続怪死事件にはなにが秘められていたのか?
奇想とロマンの横溢する本格長編ミステリ。

タイトルを読んでピンとくる方もいるかもしれませんが
タイトルにある「マスグレイヴ館」はドイル氏のホームズシリーズに出てくる「マスグレイヴ家の儀式」に関係があります。
というのも、舞台はゴールドバーグ・松阪の創始者である松太郎の誕生祝いに催される「マスグレイヴ館の儀式」の矛盾した謎を秘密に満ちた古城の謎と共に解き明かそうというクイズイベントなのです。
松太郎シャーロキアン(簡単に言えばシャーロックホームズの熱烈愛好家)であったため
彼の息子やその家族がその謎をとくイベントをプレゼントしようと思い立ちます。
大金持ちの個人的なミステリーツアーってとこでしょうか?
そのために古城(館)やそれが建つ島まで手に入れちゃうのですから。
しかし、そのイベントが開始される前に事件は起こります。
とにかく密室密室密室と密室のあふれかえる作品です。

途中で「読者からの挑戦」(普通は「作者から読者への挑戦状」と銘打つのですけど)が入ってます。
つまり私達はその段階で、推理に必要なすべての要素を手に入れることになっています。
どうぞ頭をひねって考えてみてください。
私は・・・分かりませんでしたけど(笑)
堅牢なイギリスの古城(館)ならではのトリックをお楽しみ下さい。