生ける屍の死 山口雅也 

 

山口 雅也 / 東京創元社(1996/02)
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アメリカ・ニューイングランドの片田舎でおこる殺人事件。
おりしもアメリカ全土で「死者が甦る」という珍事が頻発している世界。バーリイコーン一族は、トゥームズヴィルという土地で大きな霊園を営んでいる一族であるが、その長であるスマイリーが病床についていた。スマイリーの遺産相続のために集められた、子供や孫。グリンはそれまで顔も見たことのなかった祖父のために呼び寄せられる。霊園経営や意見の対立などでギスギスした空気の中、スマイリーの希望でお茶会が開かれる。そしてそのお茶会のせいで、グリンは死んでしまい・・・生き返った。死学博士のハース博士に事情を打ち明け、自身に防腐処理を行い、自分を殺した犯人を探すグリン。死者が甦るという、もっとも殺人に意味のない世界で危険をおかしてまで殺人を重ねる犯人は一体だれなのか?

死者が甦ると言う特殊な設定の世界です。
殺した相手が甦り、それもちゃんと意識もあって生きてるときと変わらないように過ごせるのであれば(もちろん肉体は腐っていくのですが)殺す意味があまり・・ないといえばないですよね。
グリンは顔色の悪いパンク青年。
彼といっしょにつるんでいるのは、チェシャというパンク少女。
二人はピンクの霊柩車にのって登場します。
山口氏のキャラ設定って結構奇抜ですよねぇ(笑)
パンク好きですか?
しかも探偵役までいきなり殺された挙句、生きかえっちゃうんですもの。
霊園だったおかげで、死体をきれいに見せるための道具等々があって、とりあえずの見た目は生きてるように見せかけつつ、犯人を探します。
さらに続く殺人事件。
しかし被害者が逃亡!
捜査は混迷を極めます。
被害者逃亡って……オイオイ(苦笑)

分量はありますね。
ハードカバーでニ段組ですから。
こんなに不条理な世界なのに・・・推理はロジカル・・・。
しかも犯人も被害者も生きかえるとなれば・・・もう訳がわからなくなること必至です(笑)
大分毛色の変わったミステリだと思います♪