連殺魔方陣 柄刀一 

 

柄刀 一 / 祥伝社
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九星気学を受け継ぐ旧家であり、企業グループ"KISON"を率いる亀村家の晩餐会で、幹部吾妻忠一が毒殺された。それは、郵送されていた予告状の実現に他ならなかった。投毒可能な調理人と給仕担当のメイドに容疑がかかるも捜査は難航、同席していた天地龍之介が犯人探しに乗り出した。だが関係者は一癖ある人物揃い。しかも様々な愛憎が渦巻き・・・。殺人犯は誰か?館が不安に包まれる中。第二の予告状と毒殺事件が!龍之介の頭脳は殺人の連鎖を止められるのか!?

十字架クロスワードの殺人』と『殺意は青列車が乗せて』からつながりのある亀村家の晩餐に招かれた龍之介・光章・一美。
その晩餐の席で起こる毒殺事件。
死者から届いた予告状どおりに起こった事件に騒然となるが、犯人がどうやって毒物を被害者の料理に混入したのかがわからない状況。
被害者の息子から事件解決を依頼された龍之介たちは捜査に乗り出すが・・・。

基本的に龍之介シリーズは短編集なのですが
これは2作目の長編です。
スピーディな展開ではありません。
むしろ一つの事件を検討し続けるという感じのお話です
ジェットコースター系のお話を好む方には、じれったいかもしれませんね。
毒薬混入の手口の可能性を一つずつ潰していく過程はパズル的といえます
この龍之介シリーズはこういうパズル的な論理展開が特色といえますが
今回は今までの作品に比べてちょっと地味かもしれませんね。
魔方陣を解くといっても専門的知識の必要な複雑な感じがないのでそう感じるのかもしれませんね。
せっかくの龍之介の知識をもっとひけらかしてよー!というファン心理でしょうか(笑)

長編なんですが、ストーリーの展開から言えば
中編くらいのほうがよかったのかもなぁ、と個人的には思います。
そのほうが派手さが出たかも。
タイトルのとおり、いろんな魔方陣が面白く解説されているので
興味をもつきっかけになると思います。
魔方陣って四角いだけじゃないんだね〜。